偏差値40台の工業高校から指定校推薦で大学進学した話【余裕があるなら行け】

自分は地方の工業高校から都内の中堅大学の工学部に進学した。入試方法は指定校推薦。今回はそんな自分が工業高校から大学へ進学し良かった所、悪かった所を挙げてみる。結論としてはお金に余裕があるなら行った方がいい。なぜそう思ったのかをこれから述べていこうと思う。

工業高校は”指定校推薦”であれば進学は容易

まず、前提として工業高校は指定校推薦であれば進学がしやすい環境だということを理解しておく必要がある。工業高校は普通の高校よりも就職の道に進む割合が多いからだ。地方の工業高校は偏差値が低いことが多いのでその傾向が強いだろう。

自分の工業高校では大学に進学する手段は8割ほどが推薦だ。就職の道を選ぶ人が多いほどライバルが減り、推薦枠を取りやすくなる。普通高校よりも指定校推薦が取りやすい環境といえる。

“進学の質”は低くなりがち

前項で成績さえしっかりとっていれば進学することは容易であることを書いたが、進学の質はどうなのだろうか。大学に入れたとしても、その大学がいわゆるFラン大学といわれるであれば進学をためらう人も出てくるであろう。

地方の工業高校の場合は偏差値が低いことが多いので指定校推薦の質も低くなる。日東駒専、四工大などのいわゆる中堅大学でもかなりの成績を要求されることが多い。成績が伴わなかった生徒はFラン大学に進学することを余儀なくされるであろう。

自分の工業高校では進学のターゲット層は大東亜帝国がメインだった。毎年優秀な人は日東駒専、四工大の進学を決めていたがMARCH、早慶のような難関大学に進学する人は一人もいなかった。

工業高校から大学に進学するメリット

就職

当たり前だが大学を卒業すると『大卒』の肩書を手に入れることができる。

もちろん大学を卒業した者がみんな優秀な人ではない。文系の大学生の場合は四年間遊んで大学を卒業する人も多い。工業高校生の中でも三年間まじめに勉強した優秀な工業高校生もいるだろう。でも現実、日本という国では『大卒』という肩書で就職の際に選考にフィルターをかけている企業がほとんどだ。高卒で入れる企業も存在するが、基本的には技能職(工場など)、一般職での採用となり給与が高い総合職での採用は大卒のみに限定しているところは多い。

また、高校生が就活を行う際は、一人一社制というものが適用される。高校受験の時のような併願で受けるといったことはできない。一方大卒の場合はそういった制限がないので自由に就活を行うことができる。一度に何社受けてもいいし何社蹴ってもいい。就活を行っていく中で自分の志望する業界、職種が変化することは多い。実際自分も就活期間中は何度も変化をしていた。最終的に自分に合った企業を選べるという点では大卒の方が有利であるといえる。

自分が進学したい、興味のある大学の進学、就職実績も見ておくといいだろう。そこにはその学校で勉強、課外活動を頑張った人の進路が書かれている。有名企業の名前が入っているならその大学で努力する価値は十分にあるだろう。

学生生活

学生生活を行っていく中で人と関わる機会は多い。高校の頃は基本的に県内の人と関わることがメインだったが、大学になると県外の人とも関わる機会が多くなる。人と関わることは自分の価値観を大きくアップデートすることにつながる。大げさな言い方かもしれないが、人から学べることが多い。それはオシャレなど微塵も興味がなかったただの一般オタクの自分が、周りに影響され髪の毛、眉毛など身だしなみを整え香水までつけてしまうほどだ。もちろん自分から行動しないと価値観のアップデートはできないのだが、大学生活ではその機会が大いにある。

指定校推薦では学習についていけないのか。全然問題ない。上位大学は違うかもしれないが、一般的に工業高校生が目指すであろう中堅大学程度なら、一年生は教養で基本的な数学や物理から学習が始まるのでスタートライン自体はそこまで差はない。もちろんそこで学ぶ努力をしないと単位取得は難しいのだが、三年間成績を頑張ってキープしてきた指定校推薦の人ならこの程度の努力など造作もないだろう。

余談ではあるが、指定校推薦で県外の大学に合格し下宿する場合、良い物件を選びやすい。基本的に年内で進学が決まるためその他の選抜方法で入学した学生よりも早く物件選びをスタートでき、大学の近くに格安で住むことができたりする。

工業高校から大学に進学するデメリット

学費

先に述べておくと、大学に進学しないデメリットというのは本当に少ない。強いて言うならば学費だろう。大学の学費は高い。国立大学ならかなり安く進学することができるが、指定校推薦を使うとなると私立大学だろう。大学にもよるが、私立理系の四年間の学費は600万円ぐらいが相場になる。とても普通の家庭で払える額ではないだろう。親との相談も必要になる。これが大学に進学する際の唯一であり最大のデメリットだろう。

奨学金を借りる

お金の面は家庭環境にもよるのであれこれ口を出すのは野暮だが、一応奨学金という手段もある。よく借りられているものといえば日本学生支援機構の奨学金だろう。実際自分もこの奨学金を300万円借りて大学に進学した。奨学金を借りてでも大学に行く価値はあるだろう。

資格はあまりとれない

これは自分が大学に進学して驚いたことなのだが、大学ではあまり資格取得を積極的にサポートしてくれない印象だ。工業高校では資格を取得するのが授業の中に組み込まれていて、教員が放課後に実技試験の練習をサポートしてくれたりなどしたが、大学では自分の知る限りやっていなかった。なので工学部に進学する人などは工業高校のうちに資格取得などにも積極的に挑戦してみてもいいのかもしれない(特に実技試験などがある資格は)。

【まとめ】お金に余裕があるなら行け、奨学金を借りれるなら行け

工学部などの理系の大学だった場合はFラン大学でも進学する価値はある。理系人材というのは常に人手不足でFラン大学でも就活の際に学歴フィルターにかかることは少ない(SPIなどの選考で落ちる可能性はもちろんある)。著者も偏差値40台の高校から中堅工学部に進学して、プライム上場の電機メーカーに総合職として内定をもらうことができた。高卒で就職する道を選んだ場合そうはいかないだろう。大学で工学を学ぶということは自分の将来の選択肢を広げることができるのだ。

文系の場合は一度考えてみた方がいい。その大学で学ぶことは自分の本当にやりたいことなのか。やりたいことならば進学を考えていいと思う。しかし、そこまで興味のない分野なのだとしたらやめておいたほうがいい。興味がないことを4年間続けることは想像以上に苦痛である。

また、大学に入学した際はぜひサークルなどの課外活動にも積極的に取り組んでほしい、同じ大学やほかの大学との友達も作ることができるし、いろいろな価値観に触れることができる。大学というものをフルに活用して、高い学費の元を全力で取りに行ってほしい。

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